病院の安定した運営には、空調や非常用発電機などを支える「設備用基礎」が欠かせません。本記事では、病院における設備用基礎の役割や実際の施工事例、設置時の注意点を解説します。

病院の屋上に、太陽光パネルを設置するための架台と設備用基礎を施工した事例です。屋上には既存の配管なども設置されているため、周辺設備との位置関係に配慮しながら、太陽光パネルを支持する基礎が設けられています。
屋上への太陽光パネル設置において注意すべきなのが、既存の防水層を傷めずに架台を固定することです。漏水トラブルを防ぐためにも、屋上の条件に合わせて防水層を保護できる工法や、設備重量をしっかり支えられる専用の基礎を選定しましょう。
病院内で基礎工事を実施するにあたり、気を配りたいのが振動や騒音への対策です。療養中の患者様にとって、工事に伴う音や揺れが負担となる場合があるため、重機を使用した掘削や打撃を伴う作業をできるだけ減らす工夫が求められます。具体的には、あらかじめ工場で製造されたプレキャスト基礎や鋼製架台など、現場でのコンクリート打設を必要としない工法や製品を採用することで、作業工程を減らせる場合があります。また、施工時間帯を慎重に調整し、医療行為への影響を抑える計画を立てることも大切です。
医療機関という性質上、院内外における清潔な環境を保つことは重要です。既存コンクリートのはつりや切断、穿孔などに伴って粉じんが発生する可能性があり、工事区域から粉じんが院内に流入し、空調や換気設備を介して拡散するリスクも考えられます。特に手術室など感染管理が求められる区域では、工事による粉じんの流入を防ぐため、適切な養生や換気への配慮が欠かせません。対策として、防塵シートによる区画分けを行うほか、現場作業の少ない基礎製品を選ぶといったアプローチが有効な手段となる場合があります。現場の状況に合わせ、環境への影響を抑えた工法を検討してみてください。
空調の室外機やキュービクルなどの大型設備を病院の屋上に設置するケースがあります。このときに注意すべきなのが、屋上に施されている防水層の保護です。基礎を固定するためのアンカーボルトが防水層を貫通してしまうと、そこから雨水が侵入し、階下で漏水事故を引き起こすおそれがあります。医療機器の水濡れなどを避けるためにも、設備重量や耐震性、耐風性を踏まえたうえで、状況によっては防水層を傷つけないノンアンカー工法を検討したり、適切な止水処理を施せる基礎部材を選んだりすることがポイントになります。専門業者と打ち合わせを行い、適切な施工方法を見極めましょう。
診療や入院機能が継続している病院では、長期間にわたる工事が医療スタッフの業務や車両の通行の妨げになる懸念が生じます。駐車場の制限や通路の封鎖といった期間をなるべく短くするためにも、工期短縮に向けた工夫を取り入れることが推奨されます。現場でコンクリートを打設する場合は、所定の養生期間を確保する必要がありますが、工場で製造されたプレキャスト基礎などの製品であれば、条件によっては設置作業を短期間で完了できる場合があります。スピーディーに工事を進め、医療提供体制への影響を抑えるための製品選びが求められます。
屋上・屋外・路上など、設置場所が変われば基礎に求められる条件も変わります。
設置場所に合った基礎を選ぶことが、安全で長持ちする設備づくりの第一歩です。
本サイトでは、湿式・乾式の違いや主要メーカーの特徴を踏まえ、設置環境別におすすめの設備用基礎を分かりやすく紹介します。
病院の機械設備を長期的に運用するためには、設置環境や用途に合った設備用基礎の選定が大切です。振動や騒音への配慮をはじめ、粉じん対策や工期短縮を意識して基礎を選ぶことで、患者様や医療スタッフへの影響を抑えやすくなります。災害時などでも設備が機能するよう、建物の構造や設備重量に応じた耐久性・防水性を備えた設備用基礎を導入し、安定した医療環境の維持に繋げましょう。


