湿式・乾式の比較から現場にあった基礎選びまで徹底解説する専門メディア | 設備用基礎「キホンのキ」 » 屋上設置可能な設備用基礎(機械基礎)を解説 » 給水ポンプの基礎工事とは?

給水ポンプの基礎工事とは?

目次を見る
目次

建物の生活用水を各階に届ける給水ポンプを、安全かつ安定して長期間稼働させるために欠かせないのが「基礎工事」です。本記事では、基礎が必要となるポンプの種類から、工事の進め方、施工時の注意点までを詳しく解説していきます。

基礎が必要となる給水ポンプの種類

増圧給水ポンプ(直結増圧ポンプ)

水道管から引き込んだ水を、ポンプの圧力を使って直接各階へ送り届ける方式の設備となります。中高層マンションやオフィスビルなどで広く採用されているのが特徴です。このタイプの機器は本体自体にかなりの重量があることに加え、水を押し上げる際の稼働振動も大きくなる傾向が見られます。そのため、ただ床に置くだけではなく、重量と振動に耐えうる頑丈なコンクリート製の基礎を構築することが求められるのです。さらに、建物へ振動が伝播することを防ぐための防振対策を併せて施すことが、居住環境を快適に保つ上で重要なポイントといえるでしょう。

加圧給水ポンプ

一旦受水槽に貯水した水を、ポンプが作り出す圧力によって各部屋の給水栓へと送るシステムを指します。一般的に受水槽のすぐそばにセットで配置されるケースが多く、機器単体だけでなく給水設備全体をしっかりと支えるための強固な土台が不可欠です。水を吸い上げて送り出すという性質上、継続的な負荷がかかり続けるため、コンクリート基礎の劣化は設備の寿命にも影響を与えかねません。長期にわたって安定した給水圧を維持するためにも、本体の仕様に適合した適切な寸法の基礎を築き、ボルトで強固に固定する工程が重視されています。

揚水ポンプ

地下や1階部分に設置された受水槽から、建物の屋上にある高置水槽(高架水槽)へ向けて水を高く汲み上げる役割を担う機器です。高低差のある場所へ大量の水を押し上げる必要があるため、内蔵されているモーターの出力が非常に大きく、稼働時に発生する揺れや騒音も比例して強くなる傾向があります。もし基礎が不十分だと、ポンプの振動が建物の躯体を伝わって各部屋に響いてしまう恐れがある点に注意が必要です。これを防ぐため、重厚なコンクリート基礎を打設するだけでなく、防振ゴムやスプリングを組み込んだ防振架台とセットで施工することが推奨されています。

給水ポンプの基礎工事の流れ

給水ポンプの基礎を造る工事は、一般的に以下のような段階を踏んで行われます。

  1. 現場調査・墨出し
    設置予定場所の床面へ、基礎の正確な位置や寸法を描き込む作業です。
  2. アンカーボルトの配置
    ポンプ本体や防振用の架台を固定するためのボルトを、適切な位置にセットします。
  3. 型枠の組み立て
    コンクリートを定まった形で流し込むための枠組みを作成する工程となります。
  4. コンクリートの打設
    型枠内にコンクリートを流し込み、内部に空気が残らないようしっかりと締め固めなくてはいけません。
  5. 養生(ようじょう)
    コンクリートが十分な強度に達するまで、ブルーシートなどで保護しながら乾燥させます。
  6. 型枠の解体・仕上げ
    しっかりと固まったことが確認できたら枠を取り外し、表面の凹凸を綺麗に整える仕上げ作業です。
  7. 機器の据付・固定
    完成した基礎の上に防振架台とポンプ本体を丁寧に設置し、ボルトで強固に固定して一連の工事が完了となります。

給水ポンプの基礎施工事例

給水方式変更に伴う直結増圧ポンプの基礎工事の事例

給水ポンプ基礎事例1
引用元:幸和設備公式サイト
(https://www.kowa-setsubi.jp/施工事例/給排水衛生設備工事例/)

受水槽方式から直結増圧方式への更新に伴う、給水ポンプの基礎工事事例です。既存の受水槽と架台を撤去し、新たにポンプ用のコンクリート基礎を構築・据付しました。高架水槽の交換や配管の最適化も含む、総合的な改修です。

浸水リスクを低減する300mm基礎

給水ポンプ基礎事例2
引用元:新星設備公式サイト
(https://shinsei-setsubi.co.jp/case/1293/)

地下のポンプ新設に伴い、水没防止を目的とした高さ300mmの基礎を施工。機器の安定稼働と安全性を確保し、将来の浸水被害に備えました。給水方式転換における、現場状況に即した事例です。

参照元:新星設備公式HP(https://shinsei-setsubi.co.jp/case/1293/)

給水ポンプの基礎工事における注意点

適切な強度と耐震性の確保

給水設備は数百キログラムから、場合によってはトン単位の重量になることもある重機です。さらに、地震が発生した際には大きな水平方向の揺れがダイレクトに加わるため、それらに耐えられるだけの高いコンクリート強度が求められます。メーカーが提示する仕様書や基準を満たした材料を使用することはもちろんのこと、アンカーボルトが基礎の奥深くまでしっかりと埋め込まれているかどうかが耐震性を左右する鍵となります。万が一の災害時でも機器の転倒や配管の破損を防ぎ、ライフラインである水を守るためにも、十分な強度を計算した上での施工が欠かせません。

振動・騒音への対策(防振架台の設置)

ポンプが動くたびに生じる振動が建物の床や壁を伝わってしまうと、マンションの住人やテナントから騒音に関するクレームが寄せられる原因になりかねません。また、過度な揺れはポンプ本体や接続されている配管の接合部にも負担をかけ、設備の寿命を縮める要因にも繋がります。このような事態をなるべく防ぐため、基礎コンクリートと機器の間に専用の防振ゴムやスプリング式の防振架台を適切に挟み込む施工が非常に大切です。建物の構造やポンプの出力に合わせて最適な防振材を選定し、揺れを効果的に吸収させる仕組みを整えることが推奨されます。

水平の確保と正確な位置決め

出来上がった基礎の表面がわずかでも傾いていたり、ボルトの位置が数ミリずれているだけでも、機器の正しい据付が困難になってしまいます。無理に固定しようとするとポンプの軸に歪みが生じ、稼働時の異音や早期の故障を引き起こす原因となる恐れがあるため注意が必要です。コンクリートを打設する前の綿密な墨出し作業はもちろんのこと、施工中や機器の設置時にも水準器などを用いて精密なレベル調整を行う技術が求められます。正確な位置に水平を保って設置することが、ポンプ本来の性能をしっかりと引き出し、長持ちさせるための基本といえるでしょう。

安定した給水を支える「見えない土台」の重要性

給水ポンプの基礎工事は、私たちが普段当たり前のように使っている水を、建物全体へ安定して届けるための重要な土台作りといえます。機器の特性に合わせた適切な工法を選び、振動対策や耐震性に配慮した丁寧な施工を行うことが、設備を長く安全に使い続けるための秘訣です。不適切な基礎は騒音トラブルや早期故障のリスクを高める要因にもなるため、工事を計画する際は慎重な検討が推奨されます。安心できる水回りの環境を整えるためにも、豊富な知識と確かな技術を持つ専門の施工業者へ相談してみてはいかがでしょうか。

設置場所にあった
基礎選びを

屋上・屋外・路上など、設置場所が変われば基礎に求められる条件も変わります。 設置場所に合った基礎を選ぶことが、安全で長持ちする設備づくりの第一歩です。
本サイトでは、湿式・乾式の違いや主要メーカーの特徴を踏まえ、設置環境別におすすめの設備用基礎を分かりやすく紹介します。

設置場所別のおすすめ
「設備用基礎メーカー」3選
屋上
太陽光パネル・キュービクル
などの基礎を設置するなら
ベルテック
ベルテック公式HP
引用元:ベルテック公式HP
(https://vertec.biz/)
乾式基礎
(鋼製)
ベルテックの強み
  • 屋根の防水を熟知した設計で、既存防水層との干渉を最小化。外アンカー型・内アンカー型の専用止水処理により改修案件でもメーカー検査合格の際は漏水リスクを低減。「検査防水保証システム」により最大5年間の防水保証がある。
  • 日本建築センターの評定(BCJ認定)を受けた、鋼製基礎「ベルベース」を開発・提供。新築・既築のどちらにも対応し、アンカーボルトで固定するだけと設置が簡単で、最短1日での施工も可能。
室外
空調設備・電設配管
などの基礎を設置するなら
竹原電設
竹原電設公式HP
引用元:竹原電設公式HP
(https://www.takehara-baseman.co.jp/)
乾式基礎
(プレキャスト)
竹原電設の強み
  • 電設・空調現場のニーズに即した供給体制を整え、 用途別に選べる規格品「ベースマン」の豊富なラインナップと在庫対応で短納期に対応。電設資材ルートを通じ、改修・更新工事など各種現場での採用実績がある※2
  • 人力搬入が可能な軽量ブロックで構成され、重機の進入が難しい狭小現場でも容易に設置できる。取り回しが良く、限られたスペースでも効率的な施工を実現。
路上
ガードレール・防護柵
などの基礎を設置するなら
坂内セメント工業所
坂内セメント工業所公式HP
引用元:坂内セメント工業所公式HP
(https://www.bannai-cement.co.jp/)
湿式基礎・
(現場打ち)

乾式基礎
(プレキャスト)
坂内セメント工業所の強み
  • 交差点用・路肩用など多様な製品ラインナップを持ち、直線・曲線・勾配といった現場条件に柔軟に対応。施工現場ごとの制約(地下埋設物・根入不足・騒音規制など)に合わせて基礎を選定できる。
  • プレキャスト連続基礎の技術を自社製品群に展開し、夜間工事や騒音規制下など施工条件の厳しい現場にも対応可能である。 現場打ち・プレキャストの両工法を扱い、現場に適切な基礎方式を提案。
(※1)参照元:ベルテック公式HP(https://vertec.biz/
(※2)参照元:竹原電設公式HP(https://www.takehara-baseman.co.jp/battery/index.html
設置場所別
設備用基礎3選